チャイルドマインダーの子ども観

2000年頃の子どもの観察記録 他

063 タオル地の心安らぐぬいぐるみ

我が家には飾り物として、家内が昔作っていたタオル地の小さなぬいぐるみがいくつかある。

ある日長男(4年生)が自分の物として、何か作ってほしいと言ってきた。

家内が、どんなのがいいか聞いたところ、「いもむし」と言って、イメージスケッチを持ってきた。

そこで家内は、厚手のフェイスタオルをまいて胴体とし、大きめのハンディータオルを丸め顔に見立てたイモムシ『うも丸』を誕生させた。

すると次男(年少)もそれが気に入り自分のもと言い出したので、二つ目のいもむし『うも介』が誕生した。

二人はそれらに上記の名前をつけ、自分のペットのように大切に扱っている。

 

我が家の場合、家内が次男妊娠中にほとんど動くことができず、当時幼稚園年長だった長男を二ヵ月ほど構ってやることがでず、出産直後までの最後の27日間は僕の両親の元へ預けてしまったと言う経緯がある。

出産直後もベッタリ相手をしてやれるわけもなく、その間の『母親』を取り戻そうとしているんだろうと家内は分析している。

 

そんな事情がなくても、ぬいぐるみ的なものに心の安らぎを感じるというのはいたって理解のできる部分。それが既成の物ではなく、形が整っていなくても、縫い目が多少粗くても、母親の手作りの物の方にウエイトがおかれたというところに、母親の見えない力を感じてしまった。

 

後日「お父さんのがないのはかわいそう」「お父さんにも作ってあげてよ」と言うことで『うも吉』

「お母さんも自分のつくれば」ということで『うもも』と時間差で4匹のタオルイモムシが誕生し、時間帯によって、ソファーや食卓や仕事部屋や、布団やベッドにごろごろしてるんだなコレが。

家内は(調子に乗って)その後も『うも太郎』『うもチョコ』とうもむし兄弟を誕生させていったのでした。

 

 

ウチの子どもたちが凄く気に入っているので、他の子どもたちの反応も見たくて、託児ボランティアに持ち込んだんだけど、1〜4歳児すべて無視。どんなにかわいく動かしてみせても、リアクションがない!

こういった手作り品は内輪ウケしかしないんだろうかとちょっとガッカリしたと同時に「よそのおばさんの手作り品では満たされないのだろう」と、ここでも母親の力を再認識させられた。

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              長男のイメージイラスト