チャイルドマインダーの子ども観

2000年頃の子どもの観察記録 他

067 好奇心は咎めない方が良いと思う

小雨の中、4年生の長男が走って帰ってきた。傘は持っていたのにさしてなかった様子。なんでそんな事をと問い詰めると、

「下校のチャイムがどこまで聞こえるかやってみたんだ。で、なり終わりそうだったンで、走ったら傘が邪魔になって。十字路をこえた50メートル先位まで聞こえたよ。チャイムって結構きこえるんだねぇ」

息を切らしながら一気にしゃべり終えた。しかも、とても楽しそうに。

 

しかし、 

よりによって、

2日前までは熱出して休んでたのに。

病み上がりに、しかも雨の日にしなくても……。

 

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066 『いけないこと』も考える力と捉える

4年生の長男の机の上に妙なものをみつけた。プラスティック性の定規や分度器をセロテープで繋ぎあわせている。とうてい授業に使うものには見えなかったので「大事な文房具をこんなに粗末にあつかって!」と、一瞬叱ろうかとも思ったがとりあえず聞いてみた。

 

机の上でバトルをするんだって。

机の上で、鉛筆などを使って、定規等をはじく。自分のをはじいいて、他の人の定規を落とす。いわば、おはじきの定規版といったところ。『じょうせん』(定戦?)っていうんだそうだ。別バージョンで消しゴムのおはじき『けしせん』というのもあるらしい。

 

そいうえば、僕らが小学生だったころオリンピックのジャンプで日本選手の表彰台独占というのがあった。それを期に教室で流行ったのがジャンプ競技。友人がレーシングカーのコースを持ち込んできた。教室後ろのロッカーの上に斜めにたてかけ、そこから選手を滑らせて飛距離を競っていた。選手とは、プラスチックの下敷き。コースの幅に合わせて、切って、曲げて、より遠くに飛ぶよう各自工夫していた。

 

下敷きや定規等、勉強の道具を遊びに使うと言うのは親(大人)の視点からみれば『物を大切に使わない』いけないことだけど、子どもの気持ちにそった場合、「いけない」ことの基準がグ〜っと甘くなる。で、大人になった僕は思う。

それはそれで仕方のないことと。

成長する中で大事な『必要悪』って奴かなって。

 

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番外:子どもの『ガス抜き』について

小学生を預かって遊ばせるボランティアをやってるんだけど、遊びのメニューの一つに声出しダッシュというのを取り込んでます。
声出をしながら(叫びながら)決まったラインまで走るというただそれだけの遊び。
叫ぶ言葉は紙に書いて見えない様に袋に入れて子どもたちに引かせる。
「がんばるぞー」「まけないー」「お母さん大好きー」などという言葉のほか、
「バカヤロー」「大っキラーイ」「う○こー」という日常生活ではNGワードとしているものも入れてる。
これが結構子ども受けしている。
日頃禁じられてる言葉をここぞとばかりに叫んで『スッキリ〜』って感じ。
案の定一人の保護者(お母さん)から
「あの〜、『バカヤロー』はアリなんですか?」って聞かれた。
「この場ではアリです」と答えた。
この場だからこそ許せる言葉として、ストレス多い子どもたちのストレス発散場所ってイメージ。
世に言う『ガス抜き』と思ってやってます。


ご近所に『バカ』って言うのをマイブームにしてる子がいた。
当時4歳。
人の顔見ては「バカ!」「バカ!」って連呼してたけど、
今では礼儀正しい高校生に育っている。

065 悪気のない嘘は発想の豊かさ

4年生の長男。学校から帰宅するなり「うちよ塾に行ってくる」とノートとペンケースを持って出掛けて行こうとしたので「勉強か?まさか〜?」と思いながら聞いてみたら、『う』クンの家で『ち』(自分)と『よ』クンが集まって漫画をかくんだって。

そういえば、最近気が付くと漫画ばかりかいている。

「そんな暇があるんなら勉強でも…」と言いたくなることをグットがまんして、勉強ごときで折角の創作意欲を萎えさせてはいけないからね。

それにしても、漫画をかくのにわざわざ友達の家にいくのかと聞いたところ「友達と一緒にいたほうがイメージがわくんだよね。『う』は一本だけど、ぼくと『よ』は二本同時にかいてるんだ」とのこと。

デザイナーという職にありながらイメージ貧困な父としては息子をうらやましくおもいながら見送ったのだった。

 

家族で夜見た夢を発表しあっていると、年少の次男も混ざってくる。長男は「それ、嘘だろう!」と言って相手にしない。内容が長男の見た夢と酷似していたりして、明らかに作り話だなと思いつつも、僕はつっこみを入れながらどんどん大きな物語にさせていくのを楽しんでいる。

幼児の場合、自分の作り話のなかに入ってしまう子もいるようで、それがそれがあまりにリアルで、しかも『今日、幼稚園であったこと』として話されると、聞かされた方はホントにあったことではないかと信じてしまいそうにもなる。でも、つっこみ(質問?)をいれていくと、矛盾点やボロがでてきて「なんか、あやしい」と思えてきて、『ホントの様なウソの話』に気づくことができる。

でも、それは『嘘』というより一つの『作品』って思ってしまうんだよね。

漫画も、映画も、小説も……みんな(ほとんど)『嘘』から生まれてるんだもんね。

 

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064 片付けのさせ方工夫も台無しに

ウルトラマン仮面ライダー、それらにでてくる怪獣や怪人の人形は大きめな一つのプラ箱に一纏めに入れている。

ぜーんぶ出してひとしきり遊んだ後、そろそろ片付けさせようとした時、「じゃ、投げていれるね」と年少の次男。全部収納できればいいやと思い投げ入れながらでも片付けさせたんだけど、途中「玉いれみたい」と言うので、こちらも調子に乗って「うさぎ組さんがんばってます」「ひよこ組さん、苦戦です」「さぁどうなることでしょう」などと実況風にはやしてみました。

すると次男ははきゃーきゃー言いながらスピードを上げていき、数秒後には盛り上がりながら全ての収納が終わったのでした。

 

ところが・・・次の瞬間。

 

 

「じゃぁかぞえまーす」

せっかくきれいに片付いた人形が「い〜ち、に〜い、さ〜ん」の声と共に高く放り出されていくのでした…。

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昭和なロボット

 

063 タオル地の心安らぐぬいぐるみ

我が家には飾り物として、家内が昔作っていたタオル地の小さなぬいぐるみがいくつかある。

ある日長男(4年生)が自分の物として、何か作ってほしいと言ってきた。

家内が、どんなのがいいか聞いたところ、「いもむし」と言って、イメージスケッチを持ってきた。

そこで家内は、厚手のフェイスタオルをまいて胴体とし、大きめのハンディータオルを丸め顔に見立てたイモムシ『うも丸』を誕生させた。

すると次男(年少)もそれが気に入り自分のもと言い出したので、二つ目のいもむし『うも介』が誕生した。

二人はそれらに上記の名前をつけ、自分のペットのように大切に扱っている。

 

我が家の場合、家内が次男妊娠中にほとんど動くことができず、当時幼稚園年長だった長男を二ヵ月ほど構ってやることがでず、出産直後までの最後の27日間は僕の両親の元へ預けてしまったと言う経緯がある。

出産直後もベッタリ相手をしてやれるわけもなく、その間の『母親』を取り戻そうとしているんだろうと家内は分析している。

 

そんな事情がなくても、ぬいぐるみ的なものに心の安らぎを感じるというのはいたって理解のできる部分。それが既成の物ではなく、形が整っていなくても、縫い目が多少粗くても、母親の手作りの物の方にウエイトがおかれたというところに、母親の見えない力を感じてしまった。

 

後日「お父さんのがないのはかわいそう」「お父さんにも作ってあげてよ」と言うことで『うも吉』

「お母さんも自分のつくれば」ということで『うもも』と時間差で4匹のタオルイモムシが誕生し、時間帯によって、ソファーや食卓や仕事部屋や、布団やベッドにごろごろしてるんだなコレが。

家内は(調子に乗って)その後も『うも太郎』『うもチョコ』とうもむし兄弟を誕生させていったのでした。

 

 

ウチの子どもたちが凄く気に入っているので、他の子どもたちの反応も見たくて、託児ボランティアに持ち込んだんだけど、1〜4歳児すべて無視。どんなにかわいく動かしてみせても、リアクションがない!

こういった手作り品は内輪ウケしかしないんだろうかとちょっとガッカリしたと同時に「よそのおばさんの手作り品では満たされないのだろう」と、ここでも母親の力を再認識させられた。

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              長男のイメージイラスト

062 決め事の最後の手段ジャンケンポン

家内が子ども達に「お昼ご飯、スパゲッティとホットケーキ、どっちがいい?」と聞いた。

4年生の長男は「スパゲッティ」

年少の次男は「ホットケーキ」

 

意見が別れた!

僕は話し合いで決めるよう言ったんだけど、こんな時はコレとばかりに「じゃんけん」ということになった。

僕としては、兄が弟をどう納得されるか。または納得させられなかった時の身の引き方というのを見たかったんだけどなんとも安易な「じゃんけん」。

がっかりしながらも要求が高度すぎるのかなと言う反省もあり、そのまま見ていた。

 

結果は長男の勝ちでスパゲッティに決定。

次男としては諦めきれていない。当然と言えば当然。かなり落ち込んでた。

 

家内はホットケーキも同時に作ろうとしてたけど、それでは今のじゃんけんが意味のない事になってしまうので止めってもらった。

しょげている次男には「ホットケーキは又いつか出てくるよ」と言う言葉を掛け、抱き上げて気分転換に別室へ。

「がまんできて偉かったね」というと、「ウン、ちょっと泣きそうだったけどね」という返事がかえってきた。

 

翌日の朝食にはホットケーキが登場した。

 

それにしても、ジャンケンて思考を止めるような気がするのは思い過ごしだろうか。

自己主張をしながらも相手のことを思いやるようになって欲しいもんだ。

ジャンケンは最後の手段としてとっておきたいもんだ。

 

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061 取り敢えず試してみたってイイじゃない

11ヵ月の子。


遊びの流れの中で、「はいどうぞ」をやってみた。受け取る事ができたので、「かーして」と手を差し伸ばしてみた。これには、反応しなかった。
側で見ていた初老のご婦人が「ま〜だ無理じゃないの」と言ったので、「そうですね、ヘヘヘ」って言う感じでやめてしまった。

 

が、しかぁ〜〜し、
無理そうでもやってみなきゃ!
『無理そうだから』『育児書ではその時期になっていないから』ってんで試しもしないというのは良くないと思う!!
平均や標準を気にすることなく、可能性を引き出す。
「いいんじゃね?」
無理強いはしないけど、取り敢えず試してみる。
「いいんじゃね?」


と思っている僕にとって「ま〜だ無理じゃないの」は、「やってもむだよ〜」みたいなニュアンスに聞こえてちょっとカチンときた一言だった。
「まだ無理みたいねぇ」だったら感じ方も違ったのかな?
言葉の使い方、ムズ!

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ん? なんだ??

060 緊張の糸がプツンと切れた音

 長男小4、次男年少の冬休みも終盤に差し掛かった頃、家内が3晩程留守にすることになった。

3人で留守番。

初日の夕方、僕は二人を前にして「おかあさんがいない間は、二人とも、自分で出来る事は、自分でするようにしてくださ〜い」と言った。

「は〜い」と二人とも良い返事。

 

その後、「では手始めに次男クン、お布団を敷いてきてくださ〜い!」と言ったら奴めが急に泣き出してしまった。

布団敷きというのは我が家では長男の仕事となっているので、僕としては、冗談混じりに長男に促したつもりだったんだけど、次男の奴、まともに受けとめやがって……

 「まだ小さいからできないよ〜」と

『しまった!』って思った。

平気そうに見えたけど気持ちには余裕がなかったんだって気づいた時は遅かった。

『おかあさんがいない』という寂しさを我慢していた気持ちがプツンときれた瞬間だったんだ。

結果的には長男の取りなしで機嫌をなおしてもらい、『お兄ちゃんのお手伝い』という形でなんとかお手伝いを遂行できた4歳児でありました。

 

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コケ! ちゃんと蹴爪も描かれてる!

 

059 押してダメ押してダメなら引いてみる

クリスマスの夜、次男(年少)と風呂に入っていると、長男(4年生)がドア越しに

「まるまるコロン、お兄ちゃんにもかして」と聞いてきた。

弟のもらったプレゼントのおもちゃで遊びたくなった模様。

次男はすかさず、けんもほろろに「イヤダ、かさない!」

長男はすぐにその場を離れたので諦めたかと思いきや、

戻ってきた彼の手にはキリン太と名付けられているキリンのパペットがはめられていた。

それを動かしながら

 「キリン太にかして」

風呂のすりガラスのドアに写ったキリン太は生きているような動きで次男に訴えかける。

それを見た次男は

 「キリン太ならいいよ」

 

無理矢理でもなく、黙ってでもなく、搦め手で交渉し弟をきちんと納得させ、自分の要求を果たしたのです長男に、兄としての成長を見た思いがした。

勝者 兄!

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スライム