チャイルドマインダーの子ども観

2000年頃の子どもの観察記録 他

072 砂場には寝転んでもいい格好で出掛ける

時折、幼稚園児に連れられて公園の砂遊びに行く。目的が砂遊びなのだから当然汚れてもいい格好。持ち物もシャベルにコップに(ガチャポンの)空きカプセル、洗面器にペットボトル。
あと、タオルと水筒。

がしかし。砂遊びセットを持参してるのにも関わらず、よそ行き着のような格好で現れる親子を時折見かける。特に女の子。
あんなんじゃ思いっきり遊べないだろうにと同情。

親も同じ。砂遊びではなく、砂遊ばせに来ているといったところなのかな。

僕のようにベタ座りの大人は未だ見た事がない。大人だってもっと本気になって遊べばいいのにと思ってしまう。

 

その日も年中の次男といつもの砂場に出掛けた。ペットボトルに水をくんで洗面器にうつして泥団子ならぬ、砂団子を作り始めた。僕は砂山があったのでそれを作り直し、山トンネルや地下トンネル、山道なんかをこさえていたんだけど、息子が「埋まりたい」と言ってきた。

深く掘った穴に手をつっこんで砂をかぶせて、ぬく。何度かくりかえした後、今度は「足を埋める」というので長座ができるくらいの穴に座らせ、砂をかぶせて「さあ、抜け出してごらん」ってなかんじ。
全身ではないものの、ビーチでの定番遊び。

そういった様子を一人の女の子(小2)が見ていた。必死に抜け出そうとしている息子をジッと見ていたので、「おもしろそうでしょう」「いっしょに助けてあげて」というと、手近にあったシャベルで掘り出す作業を始めた。
掘り出した後は彼女の弟(年少)も加わって山を作ったり、トンネルを開けたり、地下トンネルを掘ったり、ケーキをこさえて花や葉っぱでデコレーションしたり…時々ぶらんこや滑り台で浮気してみたりと、2時間近く遊んでた。

遊びの終盤頃彼女が「今日は公園に来て正解だったよ」とつぶやいた。

なんで?と聞くと

「だってこんなに楽しいんだもん」
「生きててよかったよ」

そんな言葉に嬉しさを感じつつも、こんな他愛のない遊びでそんなにも喜べるなんて、「じゃ、一体、いつもはどんな遊び方なんだろう」「楽しいと思える機会って、そんなに少ないんだろうか」などと、変に考えてしまった。
親は…というと「お母さんは仕事で、今日はお父さんと来た」らしく、お父さんはベンチで遠巻きにくつろいでいらっしゃいました。

 

実は、次男を掘り出した後「お姉ちゃんもやってみたい?」と声を掛けてみた。
そしたら「うん」といって穴に入る仕種を見せようとしたんだけど、靴もジーパンも砂まみれにするには忍びないほど綺麗だったので
「やっぱりやめようか、お家の人にしかられるかもね」と言って思いとどまってもらったんだよね。
その時「この子は大丈夫なの」と羨ましそうに・・・。
砂場はもちろん公園等へは汚れてもいい格好で出掛けようよ!

f:id:shironori:20201105231453g:plain

バナナ マン