チャイルドマインダーの子ども観

2000年頃の子どもの観察記録 他

066 『いけないこと』も考える力と捉える

4年生の長男の机の上に妙なものをみつけた。プラスティック性の定規や分度器をセロテープで繋ぎあわせている。とうてい授業に使うものには見えなかったので「大事な文房具をこんなに粗末にあつかって!」と、一瞬叱ろうかとも思ったがとりあえず聞いてみた。

 

机の上でバトルをするんだって。

机の上で、鉛筆などを使って、定規等をはじく。自分のをはじいいて、他の人の定規を落とす。いわば、おはじきの定規版といったところ。『じょうせん』(定戦?)っていうんだそうだ。別バージョンで消しゴムのおはじき『けしせん』というのもあるらしい。

 

そいうえば、僕らが小学生だったころオリンピックのジャンプで日本選手の表彰台独占というのがあった。それを期に教室で流行ったのがジャンプ競技。友人がレーシングカーのコースを持ち込んできた。教室後ろのロッカーの上に斜めにたてかけ、そこから選手を滑らせて飛距離を競っていた。選手とは、プラスチックの下敷き。コースの幅に合わせて、切って、曲げて、より遠くに飛ぶよう各自工夫していた。

 

下敷きや定規等、勉強の道具を遊びに使うと言うのは親(大人)の視点からみれば『物を大切に使わない』いけないことだけど、子どもの気持ちにそった場合、「いけない」ことの基準がグ〜っと甘くなる。で、大人になった僕は思う。

それはそれで仕方のないことと。

成長する中で大事な『必要悪』って奴かなって。

 

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