チャイルドマインダーの子ども観

2000年頃の子どもの観察記録 他

039 園児でも悩みや不安持っている

6月も半ばになると幼稚園でもプールがある。とはいえ、幼稚園の事だから水遊び程度のもの。それに先駆けて水鉄砲用に洗剤の空きボトルを用意するよう連絡があったので、子どもに持たせたり、プール支度も着々と言ったある日…。

二人の子ども達とお風呂に入っている時、次男がおもむろにガーゼを目に当てて、
「こうすればだいじょうぶだ」
ボソっとつぶやいた。
いつもは髪を洗う時に目を閉じるだけでは不安がるので、ガーゼを目に当てさせて洗い流しているんだけど、その日は湯舟の中で目に当てたもんだから、「なに?もぐってみる?」と声をかけてみた。

長男が潜っているところをみても、まねしようとはせず、「溺れゴッコ」といって沈める真似をするだけでも嫌がっていたのに、どうした風の吹き回し?と思いつつも、彼の勇気に応えようと、一瞬潜らせてみました。
ホントに一瞬だったので泣くこともなかったのですが、とりあえずできたので、長男と大袈裟に「やったね」「できたじゃん」「えら~い」「すご~い」と誉めまくったのだった。


で次の日。
幼稚園バス停に向かう途中「やっぱりぼく…プールに入らない」とつぶやいた。
まだプールの日ではなかったので「ウン、きょうはまだ入んないね」と言うと

次男「ズ~トはいんない」
僕「あ、そう。いいけど」
次男「おとうさん、はいんないって、せんせいにいって」
僕「え~っ、今いわなくってもいいでしょう」
次男「イッテ!!」と、なんだか泣きそうになってきた。

さては昨日のアレ?!。
僕「もしかして、プールって潜るんだと思ってる」
次男「ウン」

……やっぱりっていう感じだった。
で僕が「潜らなくていいんだよ。ウチでときどき水遊びしてるでしょう。水鉄砲とかで、あんなかんじで遊ぶだけだよ」
って言ったところ「ナーンダ」ってたちまち機嫌を直した。

次男にとって“プール”とは“潜って泳ぐところ”だったみたいなんだよね。それをず~~とずぅ~~~っとイメージしてて、
「目にガーゼを当てていれば大丈夫かもしれない。試しにちょっとやってみよう」
と一念発起して挑戦したのが昨日。
だけど
「やっぱり恐かったからプールには入りたくない」
「入らずに済ませるにはどうしよう?」
「お父さんから先生に頼んでもらうしかない!」
といったようなことが子どもの心の中で『不安』や『なやみ』として悶々としてたかと思うと……。
子どもだから、赤ちゃんだからなどと見下すような態度をとることが、ますますできなくなる気がしてしまったのだった。

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ワニ 颯爽と現る